【千夜一夜物語】今月のお話は「男と女の間」です。
プレイバッカーズは、プレイバックシアターを上演する劇団です。
topics 自主公演Vol.16は、無事終了しました!! ありがとうございました。
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千夜一夜物語
2006年
男と女の間
私の原点
勝ち組
足をひっぱりたくはないけれど
あふれだした涙
世界一の場所
3年目の勇気
女子の応援団長
隣同士の不思議な絆
終わりなき苛立ちの日々
2005年
制御不能な気持ち
金木犀の宝箱
ロッキーからの贈り物
打ち砕かれた偏見
人生がすっきりするように。
やっと吐き出せたヘドロ
また会おうね
消えた傷口
もうひとつの目線
凍りついた部屋
幻の川を夢見ながら
手を繋いで、思い出の中へ
2004年
早く来てくれ!
灰色の長い夜が明けるまで
天国からの使者
信念と現実の狭間で
動き出した時計
同じはずの違う愛情
新しい侵略者
反対側の気持ち
2つの選択
ぼくの小さな冒険
まっすぐな優しさ
巣立つとき
10年間の感謝をこめて。
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千夜一夜物語

男と女の間

最近、男嫌いになってしまうようなでき事が続いた。

仕事でカウンセリングをしている時、
卑猥な言葉を浴びせてくる人がいたのだ。
こちらを女と見て、からかってくる。
やんわりと電話を切っても、執拗にかけてくる。
受話器の向こうに、男の下卑た薄ら笑いが透けて見えるようだ。
丁寧に話を聞かなければ、という仕事上、
強く出られないこちらの態度につけこんだ男の態度。
卑劣極まりない。
全く男というものは、と不愉快な思いがつのる。


そんなある日。
今度は、楽しいはずの飲み会での出来事だった。

どういう流れか、その場が合コンのようなノリになり、
「結婚するなら、どんな女性がタイプ?」と
お決まりの質問が始まった。
「趣味が同じ」「料理上手」や「明るい」とか。
罪のない答えが飛び交うのを予想していたその場で
ある男性が
「子供が欲しいから、女性は35歳まで!」と、
空気を切るように言い放った。
「出産、子育ては35が限界だからね。」
以前にも、その男性はそう発言し、
私はそれに反論した苦い経験があった。
「子どもを産めるか産めないかを、人から勝手に決められたくない!」
「私はまだまだ産めるつもりでいるのに」
「年をとって子どもが生めなくなるって価値がないってこと?」

それにも関わらず、またそんな無神経な言葉を繰り返すなんて。
こんな場で、しかも35歳を過ぎた私の目の前で。 

― この人には、もういくら言っても通じないんだ。
怒り、というよりは寂しい思いがこみ上げてきた。
反論する気も失せて黙っていると、更に追い討ちがやってきた。
それを聞いていた別の男性が
「僕もやっぱり子どもが欲しいから、女性は40歳まで!」
と高らかに宣言したのだった。
まわりに微妙な年齢の女性が何人かいることには全く気づいていない。
― 全く、何て配慮のない人だろう。
心がどんどん痛くなる。

そして、同席の女性の一人までもが、
「私が女性との付き合い方を教えてあげる」と盛り上がり、
「観覧車に乗ったら、どのあたりで何をしたらいいか」
「女をその気にさせるのにどんな会話が必要か」
などと調子に乗って、男たちと一緒にはしゃぎ始めた。

その場の空気を壊さないように、何とか取り繕ったものの
私はただただ、あきれはてるばかりだった。
いったいこの人たちは女性を何だと思っているのだろう?
あまりに身勝手すぎやしないか・・?

来たときの楽しい気分はすっかり萎えて、
何とも重苦しい気分で帰るはめになってしまった。


わりきれなさを抱え、暗い気分のまま過ごしていたとき、
友人の男性に、その事を打ち明ける機会があった。
彼らへの怒りとも疑問ともいえる私の話を聴き終わった後
その男性は静かに言った。

「それは、男と女の間の溝ではなくて
その人たちと君との間に、深い深いギャップがあっただけじゃないのかなあ」

彼らと、私。
そうか!
世の男性のすべてが、彼らのような考えであるはずはないんだ。
彼らが、たまたまそういう人たちだったのだ。
一人の人間として共感しあえる人は、男性の中にもきっといる。

それまでの、重苦しい気分が徐々に晴れて
胸のつかえが取れた気がした。
彼の一言によって、私は救われたのだ。

よかった。
どうやら、男ぎらいにならなくてすみそうだ。
彼への感謝と、少しばかり広くなった心を持って。




※このストーリーは、実際に語られたストーリーを元に書かれておりますが、   語った方のプライバシー保護のため、実際とは異なる部分もございます。   また、ご本人のご好意のもと、掲載しております。

(2006.10.1)
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