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妻が妊娠したことがわかりました。
僕たち二人はともに喜び合い、
10ヶ月の間、我が子の誕生の日を心待ちにしながら
新しい家族を迎える準備を、二人でしてきました。
これまで経験したことのない幸せと希望にあふれる日々でした。
僕は父親になる。
そう、出産の時は、がんばる妻の側で自分がしっかりと支えよう。
産みの苦しみ、そして誕生の感動を二人で味わおう。
この10ヶ月、二人で過ごしてきた時間の集大成なんだ。
なにがあっても僕が支える。
揺るぎない決意が僕の体に新しいエネルギーを生み出してくれるようでした。
そして・・・・
ついに、その日がやってきました。
妻の陣痛が始まり、僕たちは病院へと向かいました。
僕は万全の心構えで
規則的にやっくてる陣痛が少しでも和らぐようにと奮闘しました。
しかし、痛みは徐々に激しくなり、
ついに妻の表情から余裕が消えました。
彼女はほとんど怒ったような状態になり、
「もう産みたくない!」とまで言い出したのです。
僕は、そんな風に取り乱した彼女を目の前に、
おろおろするばかりでした。
なんと言っていいのか、何をすればいいのか、
見当がつきません。
一方、妻についていた病院のスタッフは、
落ち着いた様子です。
妻の側に寄りそい、ただただ彼女をなだめてくれます。
僕よりも、他人である病院スタッフの方が
よっぽど彼女を支えていたのです。
僕は、結局この大事なときに何の役にも立たなかった。
あれほど力になることを心に誓い、
この日を迎えたはずなのに。
僕は、完全に無力でした。
おいてきぼりにされた僕とは裏腹に
妻は誰よりも頑張って、
ついに私たちの赤ちゃんが生まれました。
先程までの嵐のような状態は終わり、
静かな部屋の中で、僕はその小さな赤ちゃんを抱いてみました。
その途端です。
なにかが胸のなかに込みあげてきました。
そして気がつくと号泣していました。
どこからこんな気持ちがこみ上げてくるのか
どこからこんなに涙があふれ出すのか
理性は破壊され、もはや制御不能になってしまいました。
きっと、僕たちから誕生した新しい命、その強さと輝きが
直接的に僕の胸に響き、
歓びと感動が涙となってあふれたのだと思います。
今、僕は父親になりました。
※このストーリーは、実際に語られたストーリーを元に書かれておりますが、
語った方のプライバシー保護のため、実際とは異なる部分もございます。
また、ご本人のご好意のもと、掲載しております。
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