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中学2年の初夏、
僕は父の仕事の関係で
見知らぬ土地へと引っ越すことになりました。
馴れない場所で親しい友達を作ることもできずにいた僕に、
新しい友達ができました。
彼の名前はロッキー。
近所に住む人が飼っている犬です。
僕は毎日、ロッキーのところへ行くのが楽しみになりました。
そしてロッキーも、毎日僕が来るのを待っていました。
毎日毎日、僕たちは一緒に散歩をし、遊び、
沢山の楽しい時間を共有しました。
そう、僕たちはまるで兄弟のようだったのです。
夏休みも終わろうとしているある日のことでした。
突然、ロッキーが隣の家から消えてしまったのです。
毎日幾度となく親しみを込めて見つめていたその庭は、
まるで知らない場所のようでした。
ロッキーがいないというたったひとつの違いが
すべてを覆し、別の風景とすりかえたようでした。
結局、ロッキーは僕たちの庭に帰ってくることはありませんでした。
彼は病気のため、動物病院に入院し、
そこで最期を迎えたのです。
「いつも側にいるのに、どうして今日は居てくれないんだろう?」
「一緒にいたいなあ」
「一緒に遊びたいなあ」
ロッキーの声が聞こえてきます。
親友の願いが心をたたきます。
でも、僕は最期の願いをかなえてあげられなかった。
ロッキーの息を引き取ってゆく姿を
見守ることができなかった。
僕たちは親友であり、限りなく兄弟に近い関係だったというのに。
考えてみると、それまで自分の親しい人が亡くなったという経験が、
僕にはありませんでした。
ロッキーの死が、
初めて僕に「死」という現実をつきつけました。
「死」って何なんだろう?
「死ぬ」ってどういうことなのだろう?
今まで、はるか遠くの場所にいた「死」という事実が、
突然やってきて、僕の心の真ん中に住みつきました。
泣きそうになりました。
わけがわからなくなったりしました。
自分ではどうすることもできないほど
苛立つこともありました。
それでも僕は「死」について真剣に考えるようになりました。
そして、僕は、僕なりの答えを見つけたような気がします。
僕は確かに、親友から大切な何かを受け取ったんだと思います。
かけがえない贈り物です。
ロッキー、
ありがとう。
※このストーリーは、実際に語られたストーリーを元に書かれておりますが、
語った方のプライバシー保護のため、実際とは異なる部分もございます。
また、ご本人のご好意のもと、掲載しております。
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