【千夜一夜物語】今月のお話は「手を繋いで、思い出の中へ」です。
プレイバッカーズは、プレイバックシアターを上演する劇団です。
topics 自主公演Vol.16は、無事終了しました!! ありがとうございました。
自主公演情報
合宿
テーマ別活動
スケジュール
活動実績一覧
プレスリリース
千夜一夜物語
2006年
男と女の間
私の原点
勝ち組
足をひっぱりたくはないけれど
あふれだした涙
世界一の場所
3年目の勇気
女子の応援団長
隣同士の不思議な絆
終わりなき苛立ちの日々
2005年
制御不能な気持ち
金木犀の宝箱
ロッキーからの贈り物
打ち砕かれた偏見
人生がすっきりするように。
やっと吐き出せたヘドロ
また会おうね
消えた傷口
もうひとつの目線
凍りついた部屋
幻の川を夢見ながら
手を繋いで、思い出の中へ
2004年
早く来てくれ!
灰色の長い夜が明けるまで
天国からの使者
信念と現実の狭間で
動き出した時計
同じはずの違う愛情
新しい侵略者
反対側の気持ち
2つの選択
ぼくの小さな冒険
まっすぐな優しさ
巣立つとき
10年間の感謝をこめて。
Photo Gallery
プレイバッカーズについて
プレイバックシアターについて
LINK
Let's Watch(掲示板)
千夜一夜物語

手を繋いで、思い出の中へ

社会福祉士を目指し勉強中の僕は、
実習に出ることになりました。
実習先は高齢者施設。
ここでは、職員の方々が限られた時間で沢山の利用者のケアをこなし、
とても忙しく働いていました。
 

僕は、高齢者の女性を担当することになりました。
彼女の問題は、昼と夜の生活パターンが逆になっていること。
そして僕の使命は何とか日中起きていてもらうことでした。


果たしてどうしたら彼女の昼夜を正常にできるのだろう。
僕は興味のありそうな話題をあれこれ考えて話しかけました。
しかし、昼間の彼女のまぶたは閉じていくばかり。
今にも深い眠りに落ちていきそうです。
「この人を起こしておくことなんて僕にできるのだろうか?」
僕の努力はすべて無意味に消えてしまう。
これ以上の努力は、もうできそうもない!
そんなふうに思い始めた時、
歌が好きだという情報を思い出しました。
「うまくいくかどうかわからないけど、とにかくやってみよう。」
すっかり自信を失った僕は一筋の光を逃すまいと
彼女に問いかけてみました。
「歌を歌いませんか?」
すると、彼女は自ら歌いだしたのです。


やーまだのなーかの、いっぽんあしのかかし・・・


それは、僕の全く知らない歌でした。
それでも、なんとか彼女の口ずさむフレーズを追い、
3回繰り返す頃には、すっかり一緒に歌えるようになっていました。
何度も繰り返して歌っているうちに、
悶々としていた頭の中に、新しいメロディーが広がり、
彼女がこの歌とともに過ごしてきた過去に
思いを巡らせていました。
それは、なぜか切なく、ほんのりと温かい気持ちでした。
気がつくと、眠そうにしていたことがまるで嘘のように
彼女の目は楽しさに輝いていました。


自分とは違う人生経験を重ねてきた1人の人を
ケアするということはどういうことなのか。
たとえ僕の想像は間違っていたとしても
今そこにいる存在だけを見て接するのではなく、
その人の生きてきた時代に思いを馳せながら接していく。
その人の思い出の中へ一緒に行って、一緒にいてあげる。
そんなことを垣間見た気がします。
これから社会に出て行く僕にとって
貴重で、とても温かな出来事でした。


※このストーリーは、実際に語られたストーリーを元に書かれておりますが、
  語った方のプライバシー保護のため、実際とは異なる部分もございます。
  また、ご本人のご好意のもと、掲載しております。

( 2005.1.1 )
問合せ先
プレイバッカーズ代表 宗像佳代
〒233-0011  横浜市港南区東永谷1-15-30-305
電話&FAX:046-873-2521
E-mail:info@playback-az.com
 
copyright(c)2008 playback-AZ