【千夜一夜物語】今月のお話は「早く来てくれ!」です。
プレイバッカーズは、プレイバックシアターを上演する劇団です。
topics 自主公演Vol.16は、無事終了しました!! ありがとうございました。
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千夜一夜物語
2006年
男と女の間
私の原点
勝ち組
足をひっぱりたくはないけれど
あふれだした涙
世界一の場所
3年目の勇気
女子の応援団長
隣同士の不思議な絆
終わりなき苛立ちの日々
2005年
制御不能な気持ち
金木犀の宝箱
ロッキーからの贈り物
打ち砕かれた偏見
人生がすっきりするように。
やっと吐き出せたヘドロ
また会おうね
消えた傷口
もうひとつの目線
凍りついた部屋
幻の川を夢見ながら
手を繋いで、思い出の中へ
2004年
早く来てくれ!
灰色の長い夜が明けるまで
天国からの使者
信念と現実の狭間で
動き出した時計
同じはずの違う愛情
新しい侵略者
反対側の気持ち
2つの選択
ぼくの小さな冒険
まっすぐな優しさ
巣立つとき
10年間の感謝をこめて。
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千夜一夜物語

早く来てくれ!

私は大学の教員をしています。
ある日のこと、
10人ほどの学生を光ファイバーの工場見学につれていくため
待ち合わせ場所にたっていました。


その工場には卒業生もおり、
私から直々にお願いをして
見学をさせていただく運びになっていました。


ところが、約束の時間までに現れたのはたった一人。
「みんなはどうしたんだ?」と彼に聞くと、
彼はすぐに携帯電話を取り出し、他の学生たちに連絡を取りはじめました。
すると、「もうすぐ着く」「今向かっている」などの返事。
みんなは来るには来るらしいのですが、
約束の時間をすぎても、一向に現れません。
焦る気持ちと裏腹に、時間は無情に過ぎ去っていきます。
無理を言って見学させていただく立場ですから、
今すぐお伺いしたい。
早く、来てくれ!
早く、早く!

でも、道中にある学生をおいて先に行くわけにもいかず、
結局、全員が集まったのは待ち合わせ時間の1時間後でした。


もしも携帯電話がなかったら、
いったいどうなっていたでしょうか?
こんなにもみんなが遅れてバラバラと集まるという事態が
生じていたでしょうか?
きっと、迷惑や心配をかけてしまうのではないかと
時間通り、せめて許容できる時間内には集まっていたと思うのです。
便利な反面、人と人との大切な約束を
あまりにも簡単になおざりにしてしまう携帯電話。
いつでもどこにいても連絡を取れるという安心が
約束の意味までむしばもうとしている・・・。


でも、そんな私も、携帯電話を愛用しています。
かけるのはほとんど家だけですが、
必要な時にどこからでもかけられる便利さゆえ、
今ではなくてはならないものです。
そして、そんな便利な携帯電話を開発したのは、
なんと我が校の卒業生!
なんとも言えず誇らしい気分です。


当然ですが、工場と約束していた時間に私たちは遅れました。
こちらからお願いしていた手前、
なんともばつが悪い思いでした。


それにしても、どうして学生たちは
こんなにルーズになってしまったのでしょうか。
ほとんどが遅れてくるという事実。
それは、以前では到底考えられなかったことです。
携帯電話のせいなのでしょうか?
それとも、私の教育が悪いせい?
あるいは、彼らはもともとだらしがないのでしょうか?
私には、どこに理由があるのか
今だわからないままでいます。


※このストーリーは、実際に語られたストーリーを元に書かれておりますが、
  語った方のプライバシー保護のため、実際とは異なる部分もございます。
  また、ご本人のご好意のもと、掲載しております。

( 2004.12.1 )
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