でも私も、最初からこんなふうに、PTを広めたい、社会のために役立てたい、なんて思っていたわけじゃなかった。最初はやっぱり、主に自分のためにやっていたし、それで充分だったんです。それが、PTを広めたいと本気で思うようになったのは、スクール・オブ・プレイバックシアターの卒業式で、ジョナサンのスピーチを聴いてから。
私が卒業したのは95年で、そのときは9人の卒業生がいました。で、卒業式の席でジョナサンがこんなようなことを言ったのね。英語だったから、あまり正確には覚えてないんだけれど(笑)。「あなたたちは世界中からここに集まってきて、こんなに不確かなものに飛び込んでくれた。本当にありがとう。この学校を卒業したからといって、何かが約束されているわけでもない、将来もまったく不確かなものなのに。これから自分の国に帰って、今度は自分のためだけでなく、他の人のために、PTをやっていってください。そしていびつになったこの世界を修復するために(repair the world)PTを広めてください」と。そのとき、「ああ、この人はそこまでの思いがあって、私たちに教えてくれていたんだ」と心を打たれたの。ジョナサンって、普段はあまり大上段に、そういうことを言ったりしない人だけれど、そのときには、彼の本心がかいま見えた気がした。