●< ワーク・ライフ・バランス 公演> ケーススタディ

子どもと一緒に育ち会う 
〜 子どもっていいな、子育てっていいな 〜 

<平成20年度静岡市ワーク・ライフ・バランス推進事業 第3回>

日 時:2008年8月29日(金) 13:30〜15:30
会 場:城東保健福祉エリア (静岡市) 
参加者:自治会、民生委員、主任児童委員、学校教職員 95人
主 催:静岡市保健福祉子ども局

2008.8.29

当日、語られたストーリー(即興による再現ドラマ)をご紹介します
 
「若い母親へのエール」
 

子どもが小さかった頃、私は育児に家事、PTAの仕事と毎日駆け回っていた。
ただでさえ4人の子どもと私たち夫婦、両親という大所帯であったため、私は息つく暇もないほど忙しかった。
それでも人と付き合うことが好きな私には充実した毎日だった。

長男が4年生の頃のことだ。
もともと喘息持ちではあったが、調子が悪く、学校に行きたがらない日が増えていた。
時には仮病も使いたくなるだろう。その程度に思っていた。
しかし具合は悪くなっていくばかりで、ついに病院に行くことになった。
「過呼吸症候群です。原因は、はっきりわかりません」医師のきっぱりとした診断に私は愕然とした。
仮病ではないかと、彼が学校を休みたいと言うたびに、いぶかしく思っていたのだ。
私は、子どもの何を見ていたのだろう?母親として情けなかった。
原因がわからない病気をどう治せばいいのか、私は途方に暮れた。
心が真っ暗闇の中を泳いだ。
「お母さんがこんなに元気で明るいから、すぐ治るわよ」
看護士のこの言葉に私はどれだけ救われたことか。
フッと肩の力が抜け、目の前が少し明るくなったのだ。
私は私らしく、そして子どもをじっとそばで見ていけば良いのだ、そう思えた。

それから何年も経ったある日、息子と当時の話になり、謎がとけた。
実は、担任の先生とうまくいっていなかったのだが、それを私に訴えられなかったというのだ。
当時、我が家では先生の悪口は禁句だった。私がPTA役員だったこともあり、
「家で先生の悪口を言わない」という学校側の指示を彼は忠実に守っていた。
その私の姿勢が、息子に本音を言わせなかったのだ。まじめで気の弱い子どもだった。
学校が辛いということを言えないまま登校して、その心理的プレッシャーで病気になっていた彼。
時間を越えた今また、自分を責めた。またしても自分が情けなかった。いったい何を見ていたのだろう?

私は今、主任児童員として子育て中の親たちを支援する立場にある。
自分の子育てが大成功だったとはとても思えない。
すべて実を結んだわけではない。逆に子どもにとって重荷になったり、病気というカタチに現れたり、 良いと信じてやってきたことも、私はいくつもいくつも失敗をしてきた。
でも、それらの経験を全部ひっくるめて、子育てで悩む若い母親たちの勇気につながったら どんなに良いだろうと思う。

   
「どうすることもできなかった愛情」
  「子どもたちの一番大事な時を、一緒に過ごしてあげられなかった」
ふとしたことから、夫の思い出話が始まった。

年子の子どもたち三人を産み育てた私。抱っこにおんぶ、また抱っこ。
子どもたちは、みんな私の体の一部になってしまうのではないかと思うくらい、
私と子どもたちはいつもくっついて、その愛すべき時を過ごした。

その頃の夫は、まさに働き盛り。
職場では「家庭も大切にしています」などと誇らしくは言えなかった時代。
家庭をゆっくり省みていては職場で生き残れなかった時代だった。
夫が帰宅するのはいつも夜遅く、子どもたちと、たわむれることはなかった。
運動会も授業参観も、一度も来ることはなかった。
私は、心の隅っこで「もう少しなんとかならないのかしら」という気持が湧いてくるのを感じながらも、 自分の一存では、どうにもならない彼の事情も理解していた。
何より彼が、子どもたちのことを、本当に大事に思っていることがわかっていたのだ。
夜は、子どもたちの寝顔をそっとながめていた彼。
どんなに夜中に帰ってきても、早く起きて子どもたちと一緒に朝ごはんを食べていた。
彼にとって、愛情を表現するすべは、これ以外なかったのだ。
小さな子どもたちと過ごす甘く温かい時間は、彼には許されなかった。
彼のとめどもなく湧きあがる愛情は、空を切り、深くて暗い闇の底に沈んでいった。
「子どもたちの一番大事な時、を一緒に過ごしてあげられなかった」

今になって振り返るあの時。今さら、とり戻せない遠い過去。
私はどうすることもできなかった当時の夫を思い、そして今、夫の悔やまれる心の内を思い、 ただ、ただ悲しく切ない気持を胸に抱く。
   
「みんな幸せ」
 

私は二人の孫と一緒に住んでいる。4年生と2年生の男の子だ。
子ども夫婦は仕事があるため、夕飯の支度は私の担当。
孫たちが食べると思うと、炊事をしながらも自然と顔がほころぶ。
親に怒られた時、「おばあちゃーん」と寄ってくる姿もなんともかわいい。

今、子どもたちは夏休みだ。
まさに、おばあちゃんである私の出番である。
宿題がきちんと終わるように、孫たちをたきつける。
夕食に加えて、孫たちの昼食作りも私の担当だ。
ハンバーグやシチューばかり食べたがる孫たちだが、なんとかバランスの良い食事を
食べさせようと腕をふるう。
三人で旅行にも行った。
上の子は昆虫、下の子は電車に夢中。たっぷりと二人の楽しみに付き合う。

周囲では三世代で暮らしている家族は少ないが、これが我が家のスタイル。
孫も、夫婦も、そしてなにより私がとても楽しく、幸せである。
温かい生活が、永遠に続くわけではないことも知っている。
でも、私は今この楽しみを、存分に味わっている。


※ストーリー掲載にあたり、私たちは、ストーリーを語ってくださった方(テラー)のプライバシー保護のために、以下のことを遵守しています。
・事前にテラーの了解を得ています。
・テラーが特定できないように、表現に配慮しています。

終演後の観客アンケート(一部抜粋)をご紹介します
 
1. ワーク・ライフ・バランスの必要性を認識できましたか?
     
89人回答
十分認識できた
ほぼ認識できた
どちらともいえない
認識できなかった
28人
55人
6人
0人
31.5%
61.8%
6.7%
0.0%

2. 働き方を見直す機会になりましたか。
     
43人回答
十分なった
ほぼなった
どちらともいえない
ならなかった
11人
20人
12人
0人
25.6%
46.5%
27.9%
0.0%

3. 効率的に仕事に取り組むよう意識する機会になりましたか。
     
42人回答
十分なった
ほぼなった
どちらともいえない
ならなかった
9人
23人
10人
0人
21.4%
54.8%
23.8%
0.0%

4. 様々な価値観を受け入れる機会になりましたか?
     
87人回答
十分あった
ほぼあった
どちらともいえない
ならなかった
28人
51人
8人
0人
32.2%
58.6%
9.2%
0.0%

5. 他人への理解が深まりましたか?
     
89人回答
十分深まった
ほぼ深まった
どちらともいえない
深まらなかった
22人
58人
9人
0人
24.7%
65.2%
10.1%
0.0%

6. 参加者との一体感がありましたか?
     
91人回答
十分あった
ほぼあった
どちらともいえない
ならなかった
43人
42人
6人
0人
47.3%
46.2%
6.6%
0.0%

感想
 
子どもは誰が育てるの?昔を思い出して、もう一度子育てができたら、もう少し考えた行動ができた。
家に帰って、子ども・孫に今日の話を伝えたい。

4人の演技者の方がお話を聞いただけで即興でお互いにうまく役をやっているのには驚いた。
本当に上手に表現されていて引き込まれた。素晴らしかった。とても有意義な時間だった。


すごいチームワーク、インテリジェンス!
即興劇に初体験で驚きと感動だった。良い機会を頂いた。
即興劇に感動。同じセリフ同じ動きは二度と見られない。その場で見てこちらもその場に残る印象。
役者さんの力量も感じた。次に機会があったらまた、見たいと思う。
表現の仕方がとても素晴らしく思った。
ついつい「そうそう、うんうん」とうなづいてしまった。
目の前で演じてくれ心に迫ってきて感動した。
具体的な言葉と動きで心に残ることがわかった。
即興とは思えず、心の奥深い中のことを演じていることに驚いた。
仕事と生活の調和と改めて、しっかりと受けとめて考える良い機会になった。
「プレイバッカーズ」素晴らしかった!
あの時の自分を振り返ってみることができた。自己批判ばっかりだったのが、自分も一生懸命だったと褒め、 これからに生かそうという勇気となった。
ワーク・ライフ・バランスについて考える良い機会を得ることができたように思う。
プレイバックシアターはとても興味を持ってみさせて頂いた。こんな方法もあるのかと改めて知った。
プレイバッカーズの即興劇の素晴らしさにびっくり。
短時間にて話を劇にする。その人の感情すべてをおり込む、吸い込まれた。
表現(ポイントを絞った)が素晴らしく思わず涙がでてしまった。
即興劇というものを初めて体験した。体験談を劇にすることで子育て、仕事、家庭がすごく身近になり、 また生活を頑張る気力がついた気がした。
なにも理解していないまま参加させて頂いたが、笑い、涙し、とても良い機会になった。
多くの人に知ってもらいたい劇団だと思った。 とても良かった。
日常感じていることを、とてもリアルに表現できて素晴らしかったと思う。家族への思いを改めて思い直した。
それぞれの立場での経験や行きづまり、解決法(自分なりの)などなど、今後の自分の生き方に力を得た。
社会人となり、家庭を持った子どもたちや孫たちの将来は地域みんなで支え合い育て合うことができる豊かな社会になることを望んでいる。
発表者の語ることが、そのまま演じられているのに芝居になると、とても感動的になるので不思議だった。
効果的に伝わる手法だと思う。
劇団の方々の状況再現力に響き、演技力に驚いた。初めての経験だった。
不思議に共感したり、引き込まれたりしながら漠然とではあるが、いろいろなことを時間内に感じた。
短い言葉の中で、しかも即興でポイントをおさえて演じている団員の方に驚いた。 何とかこれからの生活に生かしたいと思った。
初めて、このような劇をみた。心から共感できる劇に仕立てあげられ素晴らしいと思った。
世の中、持ちつ持たれつ、ちょっとした配慮で明るい世の中になっていくことを実感した。
 
        株式会社  アズ


問合せ先
プレイバッカーズ代表 宗像佳代
〒233-0011  横浜市港南区東永谷1-15-30-305
電話&FAX:046-873-2521
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