●<男女共同参画パフォーマンス> ケーススタディ

プレイバックシアター・パフォーマンス
(全学共通カリキュラム総合B群)

日時:2006年5月30日(火) 16:30〜18:00
主催:立教大学文学部 全学共通カリキュラム
人数:90人

2006.5.30

テーマ:現代社会とジェンダー  

 
●ストーリーの紹介
「泣いた記憶」
小学生だった。学校では掛け算の「九九」を習っていた頃。
ほろ酔いで上機嫌だった父親は、僕を呼びつけて九九を言わせた。
父と息子というより教師と生徒のようだった。僕は、つっかえながら九九を言い、父親はいらつきはじめた。そして、その怒りはどんどん募っていった。僕はとうとう大声で泣き出して別の部屋にいた母親のところに駆けつけた。母は優しく受けとめ、なぐさめてくれた。
「女を捨てるって?」
小学校時代と同じようにバスケットボールをやりたかった。
ところが私の中学校には女子の部はなく、男子だけの部にひとりで混じることになった。それを聞いた友達の母親に、「あなた、女を捨てたわね!」と言われ、とてもショックだった。
自分がやりたいことをやるだけ。それがなぜ、女を捨てることになるのか。そんな言葉にもめげず、私は男子仲間にサポートされて活躍した。スリーポイントシュートを決めるほど、だった。
「率先してやるのは」 
中学校の家庭科の授業で調理実習があり、魚をさばくことになった。
いざ、魚をさばく時になると、魚の内臓を出す作業などを嫌がり、誰も手を出そうとしない。他の班では、順番にやっていたのに僕の班は僕ひとりがやることになった。
女子たちが「率先してやるのが男だ。」とばかりに僕がやることを強要したからだ。心の中ではおかしな理屈だと思いつつ、逆らえなかった。
男だからといって、率先してやらないといけないのだろうか?
「女は気軽にフリーター」
就職するにあたっては、夢がある。女性であっても、結婚しても、いい仕事をしたいと思っている。ところが企業の面接では「男性をメインにした職種」と言われ狭き門であることを感じ始めた。月日がたち、いよいよ危機感が増してきた。親しい男性の友達に「最悪の場合はフリーター。」と洩らしたところ、「いいよなあ、女は。」という言葉が返ってきた。「女はどうせ結婚するまでの一時的な腰掛け。」という意味だった。びっくりした。私には微塵もない気持ちなのに。気心が知れた友達だけに彼の言葉は心外だった。
 
●学生のレポートから
 
◎私の高校は男子校で1年のときに調理実習があった。家庭科の先生の「皆、男の子なのにすごいね。」という言葉が印象に残っている。先生に他意はなかったと思うが、料理のできる男はすごいという固定観念みたいなものがあるのだなと感じた。

◎男だから率先してやれ、というのはよく分かる。「男だからあれしろ。」「女だからあれしろ。」とか偏見はよくないことだ。男だってやりたくないものはやりたくない。女だって男のように仕事をしたいと思う。

◎魚のエピソードを見て、調理実習の時には、無意識のうちに男子に押しつけたこともあったかなと感じる。何気ないひと言で相手を深く傷つけてしまうこともあることを忘れないようにしたい。

◎「男なのに」と言われたことはある。料理しなくていい、掃除しなくていい、と言われて育った。それに比べて、姉は食事の準備や洗濯、掃除をしなさいと言われていた。こういうことを言わない人になりたいと思いつつ「自分は男だからこうありたい。」という思いは捨てられない。

◎幼稚園で5月5日に先生が新聞で作った兜を配っていた。私も欲しいと言ったら「男の子じゃないから」と言われてショックだったのを覚えている。

◎「女性が虐げられている。」というコンセプトでジェンダーが語られていると思っていたが、今日の男性の話を聞いて、「ジェンダー」ということは「性別差別」であって「女性差別」ではないと認識した。ジェンダーは身近なところにある、と強く感じた授業だった。

◎家庭の中で「女の子なんだから」と言われたことは無かったが中・高が女子校だったので「女性として〜〜になりなさい」と多々言われました。まるでそれが正しい女性像であるかのような話にずっと違和感を持っていました。

◎よく考えると普段の生活にも問題があると思った。私には兄がいるが年が違うから、という事だけでなく、男と女だからということで区別されて育てられたと思う。親が意図的にそうしたのでなく、親も気づかないけれどその意識が染み付いているのだと思った。

◎よくある「男だから」「女だから」というのは叱って説得するのに便利な言葉だと思った。私は「人間性」で勝負したい。

◎「女はどうせ一時就職」、「女性ならこの仕事」という観念がこんなにも顕著なのかとショックを受けた。男女平等と謳われながら未だに男女役割分業思考が払拭されていないのはつらい。私は屈することなく女性の可能性を信じて就職活動を進めて行きたい。

◎小さい頃、男なんだから元気に遊びまわるのが当然だという価値観を押し付けられて、ものすごく嫌だった。似たような出来事は、わりと転がっていると思う。

◎別学だった私の高校が共学化運動で揺れているとき「共学になったら学校のレベルが下がる」「男子校だったから優れた文化を生み出せたのだ」という友達の声に疑問を抱いていたことを思い出した。

◎男性の心の中が聞けてよかった。どうしても女性の声に偏り勝ちなので。ジェンダー差別は両性にとって不利なものだと感じた。
※ストーリー掲載にあたり、私たちは、ストーリーを語ってくださった方(テラー)のプライバシー保護のために、以下のことを遵守しています。
・事前にテラーの了解を得ています。
・テラーが特定できないように、表現に配慮しています。

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