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「娘からの言葉」 |
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卵屋さんに買い物に行けるようになった5歳の娘。この日も300円を握り、意気揚々と出かけた。無事に帰ってきたとたん、家の段につまずき、卵を放り投げて転んでしまった。彼女は、割れてしまった卵を見てワンワンと泣いた。私はとっさに「けがはない?大丈夫?」と卵のことより、娘の体を心配して声をかけた。30歳になった娘が嫁ぐとき、「あの時、お母さんが卵のことを叱らずに、私を気遣ってくれたこと、とてもうれしかった。」と語った。そのことを覚えていたことに驚いた。それにしても、卵のことを先に言わずに良かった、、、としみじみ思った。 |
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「息子からの贈り物」 |
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仕事で忙しい日々を送っている。末の息子の宿題や明日の準備を手伝うことができない。お兄ちゃんたちの時は、手伝っていたので、とても気になっている。息子は、成績が芳しくないのを「お母さんが見てくれないから。」といつも言っていて、私も申し訳なく思っていた。夫は、仕事、家事、学校の行事を完璧にこなし、子供たちから「お父さんは、スーパーマン」と見られている。それに比べて私は、「お母さんの仕事は趣味でしょ。」と言われている。ある日、疲れて帰宅すると、息子が熱いお茶を入れて、「お母さん、お疲れ様でした。」と待っていてくれた。
次の日も、その次の日も。知らないところで、彼は私を見ていてくれたのだ。彼の成長がとても頼もしく、うれしく思った。 |
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「ママ、バンガッテね」 |
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日々、仕事と育児に追われている。息子が生まれたとき、寝返りをした頃は、かわいいと思えたのに、3歳になった今、かわいいと思えない。早朝5時半から起こされ、怒鳴ると泣き出す息子。毎朝、繰り返される光景だ。保育園へ送り出し、夕方、帰宅して寝かしつけるまで、怒鳴っても甘え、まとわりついてくる息子を再び怒鳴り、振り払う戦いのような時間が続く。そして、「またイライラしてしまった。」と思う。ある朝、保育園での別れ際、「ママ、仕事バンガッテ!(がんばって)」と言ってくれた。久しぶりに息子を「かわいい。」と思えた瞬間だった。 |
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「気を付けなければ」 |
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一晩考えて購入した手帳をすぐに、「使い勝手が悪いから、買い換えたい。」、という娘に、「最後まで、責任を持ちなさい。」とまた、一喝してしまった。いつも、娘には厳しい。最近、娘が参加する集まりが夕方にあった。「遅くなるだろうから、帰りは、お母さんが駅まで車で迎えに行くから、終わったら電話をしなさい。」と言っておいたのに、駅からの電話で彼女は「私、間違えて自転車で来てしまったから、お迎えはいらない。私が間違えちゃったの。」と言う。会合の集合時間に遅れそうだったから、意識的に彼女が自転車で行くことを選んだのに、その言葉を口にだすとは。かつて、私の妹も親から厳しく躾けられ、怒られないようにしようと、何かと「間違えちゃった。」が口グセだった。それと同じではないか。私は、いつも娘に厳しくあたり、プレッシャーを与え続けているのではないか。彼女を支配しているのではないか。彼女の一言に、はっとした。 |