子育て支援におけるプレイバックシアター

<子育て支援パフォーマンス> ケーススタディ(5)


●日時:2005年10月23日(日) 14:00〜15:30
●男女共同参画センター横浜 「フォーラム」(戸塚区)
●人数:60人
 
●テーマ:「お母さんやお父さんのための子育て支援講座」 
〜即興劇で育児の苦労、悩み、楽しさを共有して私らしい子育てを〜  
※2005年度 男女共同参画センター横浜の市民企画講座事業として公演した。
 
●全体の流れ
1) 導入
今朝の出来事、最近の親としての気持ちをインタビューし、それを体と声で表現する。 
(手法 動く彫刻、ペアーズ)
忙しい朝に、夫が「お金を貸して。」と言ってきた。もっと早く言ってくれればいいのに。
子どもが大きくなり、一緒に行動するのも難しくなってきた。今日もここに、連れてきたい気持ちと、連れてきても、もう、分かち合えないだろうなと寂しい気持ちがある。
遠く離れている娘のことをいつも心配している。でも、今日、電話をしてみて、元気そうでちょっと安心した。
など
2) 即興による再現ドラマ (手法 ストーリー)  
「いたたまれない光景」
 朝、通勤電車の中で、女の子を甲高い声で、叱る母親がいた。「あんな子と仲良くしなくていい。あなたは、やさしいから。」と母親は、自分の思いをヒステリックに女の子にぶつけていた。「どうして、やさしくて、いけないのか。」と私は、疑問に思った。他の乗客は、見て見ぬふりをしている。ついに母親は、「お母さんはもう知らない。」と、女の子をおいて、車輛を移ってしまった。「お母さん、待ってよ。」と女の子は、必死で母親を追いかけた。私は、女の子がかわいそうで、涙がでそうになった。電車を降りてからも、「あの子は、どうなったのだろうか。」と気になって仕方がなかった。
「世代を経て」
娘が孫を育てる姿をみて最近、思うこと。
私が娘を育てている時は、「幼稚園に行きたくない。」と彼女が言えば、オロオロしてしまい、大騒ぎをした。母となった娘は、同じく「幼稚園に行かない。」と言う孫に対して、「私もそうだったから、幼稚園に行かなくてもいいわよ。」とおおらかに構えている。今は、地域の子育て支援も充実していて、娘も活用しているし、時代は、変わったなあと思う。
「とっさの一言」
休みの日、今日は早起きをして、いろんなことをしたいと思っていたのに、寝坊をしてしまった。こういう時に限って、1歳3ヵ月の娘が、食べ物を投げつけ、後片付けの仕事まで増えた。イライラして、つい怒鳴ってしまったら、娘が2階に住む祖母に助けを求めるかのように「ばあば、ばあば。」と言う。私は頭にきて「そんなにばあばが、いいのなら、おばあちゃんちに捨ててきてやる!」と言ってしまった。娘は、驚き神妙な顔をした。その後、いつもなら祖母のところでたっぷりと甘え、遊んでくるのに、その日は、祖母に物を投げつけ、そばに寄ろうともしなかった。娘にひどいことを言ってしまった。その一言にとても後悔した。
「父親として、できること」
14年前長男の出産に立ち会った。障害があり、車椅子を使用しているので、病院へ行くのも、たくさんの人の手を借りた。でも、苦しむ妻の背中をさすることができなかった。出産後も自分ひとりでは、何もできず、子供をお風呂に入れることもできなかった。私にできることは、妻の代わりに買い物に行くことぐらいだった。もっと、もっと援助があれば、父親として安心して育児に参加できるのに。そんな私も今では、3人の子供の父親になった。
3)まとめ
子どもたちの未来のために、どのような世の中にしたいかをインタビューし、体と声で表
現する。(手法 トランスフォーメーション)
・「子どもを守るために地域の連携」、「父親の育児参加」 など
 
アンケート記入・回収
子供を頭ごなしに叱るシーンを見て、自分も同じようなことをしていると思い、反省した。親から怒られたとき、子供は、こんなにも大きく降りかかってくるような、こわい気持ちがするのだなと思った。今までなんてかわいそうなことをしていたのだと感じた。怒る前に、今日のシーンを思い出し、一呼吸置いて、考えることにしたい。
自分のちょっとした言葉、子供に対する態度を振り返ってみて、改めて考え直す良い機会になったと思う。相手の気持ちを考える、また自分の気持ちをわかってもらうことの大切さを感じることができて良かった。
肩の力を抜いて、子供たちを温かく包んであげようと思った。「時には、守れないこともあるさ。」と大らかに構えて、子育てをしていきたい。
子供を叱るシーンに涙が出た。私もそんな経験がたくさんある。今は「あのときは、悪かったね。」と言葉にし、子供たちと良い関係になった。様々なことを乗り越えてきた、自分を改めて思い、現在に感謝したい。
共感という言葉のもつ重要性を改めて考えた。育児には、たくさんのマニュアル本があるが、本当にほしいのは、共感し、共に考えてくれる人だと気づいた。その場で答えはでない、でも、そこから次のステップに立とうとする勇気を与えてくれる。自分の心の声を具体的に見ることで、そのことが可能になると思った。 

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