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信念と現実の狭間で
高校で進路指導を担当している私は、多くの生徒が就職を目指してがんばるこの季節になると、胸が痛くなります。それは、自分の信念と社会が求める現実のギャップをあまりに強く感じるからです。私は、生徒たちそれぞれが持ってる素晴らしい個性と能力を次のステージでも伸ばしていってほしいと願っています。ところが、現実は冷酷です。生徒たちが望む職場に就職させるためには、マナーのビデオにあるような「型」を教え込まなければなりません。生徒たち一人ひとりの魅力を十分に知っている私にとって、同じであること、同じでなければならないことを教える行為はどうしても心が痛みます。 |
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リストラが夫にプレゼントしたもの
夫は、一途な仕事人間でしたが、リストラをきっかけに家事をするようになりました。毎日家ですごす彼の姿に、私の心は痛々しい気持ちでいっぱいでした。そんなある日のこと、部屋の中に花が飾ってありました。私の知らないうちに活けられたその花は部屋を美しく彩っていました。今までには有り得なかった景色が、夫によって生み出されたのです。リストラが、それまで彼の人生にはなかった喜びをもたらしたのです。 |
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会長は男性であるべし
子供の保育園の役員になった私は、会長を選ぶ会合に出かけました。そこは、女性がとても元気な世界。当然、会長も副会長も女性がなるものと予測していたのですが、見事にはずれました。「やはり、会長は、男性じゃないとね!」という有無を言わせぬ口調で、私に視線が寄せられたのです。追い討ちをかけるように「これまで子供と一緒の時間も持ってこなかったでしょうから、いい機会ですし。」というプレッシャー。周りの人は皆その女性のパワーに飲み込まれたようで、私の味方は誰一人として存在しませんでした。結局「会長は男性」という因習がまかり通ったのです。何か釈然としない経緯でした。 |
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台所に入らずとも立派な人間?
学校で「お家のお手伝いをしましょう」という先生の一言がきっかけとなったのか、二人の息子が台所にやってきました。私は、なんともいえないあたたかい気持ちになって、これはいい機会、と息子たちとの時間をすごしていました。ところが、ちょっと目を離したすきに、二人とも台所から退場しているではありませんか。多分、夫の母であるおばあちゃんの影響です。子ども達に経緯を確かめようとしても、言葉を濁すような曖昧な返事。義母からは、「何も男の子が台所に入らなくてもね。あなたの夫だって家事をしないけれど、だからって駄目な人間ということは全くないでしょう」これからの世の中に生きる息子に託した私の想いは、結局、途中で摘み取られてしまったのです。 |