●男女共同参画社会におけるプレイバックシアター

山梨県教育委員会主催講座
2002年男女共同参画アドバイザー養成講座

日 時:平成14年6月1日
場 所: 山梨県立女子短期大学 本館3階
出 演: 劇団プレイバッカーズ

ここでは、2002年男女共同参画アドバイザー養成講座 講座ニュースNo.4の記事を掲載させていただきました。

2002年度 男女共同参画アドバイザー養成講座
講座ニュース No.4
2002年6月8日山梨県立女子短大講座実行委員
 
6月1日の第4回講座は、県短に会場を戻し、本館3階の講堂で行いました。とても天気が良く、行楽日和でしたが、56名の参加がありました。はじめに今日のコーディネーターである池田政子講座実行委員長から前回講座「男女共同参画時代のライフデザイン〜アンペイドワークから年金まで」での気迫あふれる竹信さんの講演を省みました。その後、本日の表現講座「演じて伝える ー男女共同参画の地域づくりのためにー」の講師、宗像佳代さんとプレイバッカーズの石井浩子さん、丹下一(たんげまこと)さんをご紹介し、もう一人のコーディネーター、高野牧子(幼児教育科)が自己紹介しました。以下、宗像さんとプレイバッカーズのみなさん、そして受講生の皆さんによる熱意溢れる表現講座の模様を報告します。
 
宗像佳代さんとプレイバッカーズのみなさんによる
「演じて伝える ―男女共同参画の地域づくりのために― 」
 
 声をまわしてみましょう
@ 3つの円に分かれて、隣の人へ両手を出しながら、"ハッ"と声をまわしましょう
   stage1) 一周、できるだけ早く回してみましょう ・・・うまくできて、
       思わずみなさん拍手
   stage2)もう少しリズムを意識しながら、もっと早く ・・・随分、早くなりました!
   stage3)どこで誰が方向を変えてもいい  ・・・あちこちで笑いが

 動いてみましょう
@ 声と動き
   stage1)動きに合わせて声をだしてみましょう
        〜高野が動き、みなさんが声、打ち合わせ無しでもOK。
   stage2)声に合わせて動いてみましょう
        〜丹下さんの声に合わせてみなさんが様々に動きました。
A(二人組)単純でシンプル、簡単な動きをする
        もう一人が誉める 「素敵だわ、その動き!最高」
        誉め言葉に呼応して小さな動きから、大きな動きへ、
        これ以上できないくらい大きく
   みなさんの動きの例)膝上げ、手先ぶらぶら
                床で開脚、腕を回す、自転
                その場で走る
   <感想を話し合いましょう>
    「言葉が自然と出てきます」
    「誉めて喜んでくれることがとても気持ちいいですね」

 即興劇の役者になりましょう 二重円で
@幼児編
  stage1)おもちゃを取られて泣いて帰って来た3歳の男の子
                         VS 女々しいと怒るお父さん
    皆さんの例)そんな事じゃダメだ!もう一回行っておいで。えええん。
  stage2)いつもズボンで活発な女の子 
                         VS ピンクのフリルを着せたいおばあちゃん
A 教育編
  stage3)男の子なんだから、経済学部や商学部に進学させたい母親
                         VS 美術大に行きたい息子
    皆さんの例)お母さん、僕の話をもっと聞いて。僕の人生だよ。 でもねえ・・・
B 家庭編
  stage4)専業主婦を望む夫 
           VS 平等にお互いが仕事を分担し、生活していきたい妻
    皆さんの例)ねえ、聞いて。一緒に暮らすということはお互いに尊重しあうことよ(妻)
   stage5)二世帯同居中、親世帯で家事をする息子に不満の母
           VS 子世帯で家事を手伝う息子
    皆さんの例)家事はお嫁さんの仕事よ。やらせなさいよ(母)
            もう時代が違うんだよお。
   stage6)定年後、元気のない夫
           VS 生き生き人生、カルチャー教室に出かけようとする妻
    皆さんの例)え、出かけるの?
            今まで勤めてきたんだから、ゆっくり休ませてくれよお・・・
            ちょっと、家にいるんだから、風呂掃除ぐらいしてよ。
  stage7)介護は他人ではなく、嫁にして欲しい年老いた母
           VS ヘルパーさんも頼みたい長男の嫁
    皆さんの例)あなたがそばにいて面倒見てくれるのが嬉しいのよ。
           他人にはちょっとねえ。
           でもね。私も腰が痛いし、ヘルパーさんに頼みましょうよ
  <感想を話し合いましょう>
  「やはり、地域に入り、個々の実情を把握し、お互い相手の立場を理解する事が
   男女共同参画を実現する道だと思うわ」
  「定年後や介護の話は身近よね」

 プレイバックシアター
プレイバックシアターは、参加者が自分の体験した出来事を語り、それをその場ですぐに即興劇として演じる独創的な即興演劇です。今回は、会場から自分自身の体験を語ってくれる方(テラー)4名と、演技者として2名の方が積極的に参加してくださいました。以下にその4つの話とそれを受けて、実際に演じられた時のシナリオの一部、そして感想を紹介します。

第1話 私、戦い続けてます。初めての女性議員誕生まで
3年前、我が家で私が選挙に出馬した時のことです。私は町の古い体質に疑問を持ち、女性が政治に出なければと思ったのです。家族は夫と東京に居る二人の息子、それにおじいちゃんとおばあちゃんです。 私が出馬の決意を語った時、家族は大反対。一番反対したおじいちゃんは「俺たちのご飯はどうなるんだ?」1ヶ月の冷戦中、息子たちに「お父さんと別れることになったらどうする?」と尋ねますと、「僕たちは大人だから、大丈夫だよ。お母さんの人生、あと20年好きなように生きたら」と応援!?とうとう、冷戦に耐え切れず、夫が最初に折れ、自然におじいちゃんも応援してくれるようになりました。友達も巻き込んでの自分の生きる道。まだ男社会、戦いが続いています。
  配役)主人公〜石井さん 家族〜丹下さん(一人3役)
即興シナリオより)「これは四角ですか?私には丸に見えるんですけど」「いえ、ずっと前から四角って決まってますよ」「でも私、これが丸だって気づいたんです、誰かが丸って言わなくちゃ」「止めた方がいい」 「いかんいかん、ご飯はどうなる」「どうしてこんな時にご飯かな・・・。」(中略)夫「一応、認めるから」 おじいちゃん「まっ、ええわ」 私「いってきます!」


テラーの方の感想)ジーンときました。
(宗像さんのコメント)自分の人生にオーバーラップし、共通体験をする、
           その力がエンパワメントとなり、一緒の道を歩いていけるのです。

第2話 おばあちゃん奮戦記 ジェンダー・フリー教育は幼児期から
私には小3になる男の子と女の子、双子の孫がいます。息子夫婦は共働きなので、親が帰るまで近くに住んでいる私が、孫の面倒をみています。私は男女共同参画について、とっても熱心に勉強している前向きおばあちゃんですし、孫たちはとても仲良しで男女の区別なく、育っています。さて、ある日のこと、男の子の友達が遊びに来ました。孫達はそろって玄関に出ると、その友達から「女はちょっとなあ。」と言われ、戸惑って、そして困っていました。そこで、私は「そんなこと言わないで、仲良く遊べばいいのに」と申しますと、パーっと走って逃げて行ってしまったのです。 やはり、幼児期からのジェンダー・フリー教育って必要性ですね。
配役)主人公〜会場からの参加者 孫(男の子)〜丹下さん 孫(女の子)〜石井さん 友達〜会場からの参加者


テラーの方の感想)私の家を見ているのかしら?と思えるぐらいの名演技!竜王町は今、混合名簿に取り掛かろうとしています。まず、始めの一歩、これが原点になるのかなと考えています。

次は、男女共同参画、初心者の方。

第3話 バトンガールと修学旅行
私が高校2年生の時のことです。私は明るく元気なバトンガールでした。いつも仲良し3人組で遊んでいました。ところが修学旅行で私は突然、仲間はずれにされてしまったのです。原因が何だったのか、未だにわからないのですが。どこかを見学するにも、二人でさっさと行ってしまい、取り残されてしまう私。言葉もかけてくれず、「あなたは邪魔」とでもいうような、冷たい視線。私にできることといえば、持っていったお小遣いで食べる。食べる。4泊5日でなんと5kgも太ってしまいました。その後もこのストレスは続き、とうとう10kgも太り、バトンガールの衣装も着られなくなり、憧れの大会も諦め、止めてしまったのです。
宗像さんのコメント》バトンガールは細くなくちゃいけないというのもジェンダーですがね。
配役)主人公〜丹下さん 友達〜石井さん
即興シナリオより)「どうしてこっちを向いてくれないの?」「私ずっと食べてる。他にすること無いし」 「あっ、5kg太ってる。止まらなくなってる。食べるの、止まらない。」 「もう、いないね、明るくて、かっこよかった、あのバトンガール・・・。」

「トランスフォーメーション」といってプレイバックシアターでは「こうだったら、よかったなあ」という話に作り替えることができます。どのように替えたいですか?

 3年生の時にはバトンの大会に出たかったのです。食べる事は止めて、ストレスにも勝ちたかった。仲間はずれにした友達にも私から声をかけ、また一緒に仲良くしていくのです。 即興シナリオ)「あっ、5kg太ってる。元通りにしてやるわ。大会でも優勝してやるわ。」 (ランニングをする姿に、会場から拍手) ⇒⇒⇒⇒⇒ 「見られるのが好きなの。皆、ちゃんと見ててね」 「もうあの人、落ち込んでないね」


普段、声にできない、声を出せない人の声を拾うことは重要です。数の多数はそれだけで暴力となります。
そこで、最後にこの講座では少数派である男性の方。

第4話 冷や汗かいても、勉強は続けます
イベントに参加しても、いつも男性は一人なんです。まさに威圧感を感じてます。セミナーに出席する時も一番、遅く行って、端っこで小っこくなって聞けば、皆にわからなくていいかな。でもこういった活動には率先して参加したいのです。でも女性の目が怖い。これは私が心の中に思った事ですが・・・。
 《宗像さんのコメント:それこそ、この方にとっての現実です》
自分が何となくひそひそ話の対象になっているように感じてしまい、冷や汗が出るんです。私は2年前まで企業に勤め、管理職をしてました。人事査定でとてもよく仕事ができる女性を正当に評価したところ、関係を怪しまれたり、女性はここまでといった勤務査定に納得できず、正当に評価できない現実に不満を抱いてきた。それが、男女共同参画を勉強する原点であり、冷や汗をかきながらも、続けているエネルギーなのです。

<感想を即興で演じます>
  今日の講座であなたの心の針がゆれた瞬間は?どんな風に揺れましたか?
  ・第4話に感動。情熱を燃やしている人がいれば、
   社会を変えていけるんだと思った。
   ⇒ 「あの人は立っている」「燃えてる人が必要なのね」
     「そうやって道は進むんだね」
  《宗像さんのコメント》心が動きますね。再現したものが皆さんと共鳴している時、
              会場が素晴らしい空気に包まれます。
  ・第3話で高校生の出来事がその後の人生をすべて変えてしまうんだなと、
   じんときた。
   ⇒ 「重いなあ」「いろんな物が変わってしまうんだなあ」「大切なんだね」
  ・第1話で封建的な山梨で、物凄い葛藤にもめげず、初めて女性議員として
   立っていく姿勢に感動。
   ⇒ 「それでもその道をあなたは選ぶんですか?」
     「もっと・・・あったのよ」「でも選ぶんですね」
  ・(主催者を代表して、丸山の感想)社会を変えよう、地域を変えようとすることは、
   まず私が変わること。そして皆様のお話しに感動し、こういう手法があると驚いた。
   この感想を元に、この講座は宗像さんの独白による
   次の演劇で締めくくられました。
   ⇒ 「初めての体験でしたので、どんな風になるかと思っていました。
     始まると、熱心にやっています。1つ1つの真実が胸を打ちました。
     世の中を変えるということは、自分を変えることでしょう。
     私の心がふるえることだと思いました。
     これからも未来を作っていくことでしょう。」
 
最後に、池田が次のような感想を述べ、宗像さんとプレイバッカーズの小林さん、丹下さんに感謝を申し上げた。
「お招きして、本当に良かったと思います。コーディネーターの立場を忘れ、笑ったり、泣いたり。今日、お話しにならなかった皆様、お一人お一人にもストーリーが詰まっています。そして自分の人生を抱えて、この講座に来て下さっている事を改めて深く実感しました。そしてそういった人生に触れさせていただけることがこの講座を主催している喜びになります。今日は皆様からのお話しに共感したことで、癒され、いい気分になったことと存じます。グループ学習へのよい流れができたと思います。ありがとうございました。」


問合せ先
プレイバッカーズ代表 宗像佳代
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電話&FAX:046-873-2521
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