日ごろの何気ない動向を鋭く観察した、団員たちの「伝説」。
団員の新たな一面をご紹介させていただきます。
意外にも財布の置忘れが多い彼女。
先日、皆で稽古日の昼食をレストランで取っていました。
食後の飲み物をウエイターが訊きに来た時のこと。
彼女はロイヤルミルクテイーを注文したのですが
「ロイヤルミルクテイーはホットになさいますか?アイスになさいますか?」
と訊かれ、大きな声で「ロイヤル」と、答えていました。
返答に困るウエイターに向かってさらに「ロイヤル!」。
見かねたメンバーの一人が「ねえ、違うよ。」と、
言って自分のようやく間違いに気付いたようでした。
一体何を間違えたのかはいまだに不明です。
今回は、最年少メンバーです。
兎に角涙もろく可愛い彼女ですが、お料理の腕前もなかなかなようです。
ホームページの掲示板などでも「お菓子を作りました♪」と、可愛さばっちり。
しかし、ある日の出来事にあ然としました。
その日、彼女はお味噌汁を作っていたそうです。
だしもとり、後は具を入れようと思って冷蔵庫を見たところ何もない!
困ったなあと、よく見ると目に入ったのは残り物の鯖の味噌煮。
「これならいけるかな」と、入れたそうです。
結果は、ご想像にお任せします。。。
「石狩汁とかに似てるかなあと、思って」と、彼女のコメントでした。
あの絶妙なタイミングで繰り広げられるミュージシャンテクはこんなところに
原点があるのかもしれないですね。。。。
とてもがんばり屋で、 どんなことにも前向きで、力を出し惜しみしない彼女。
たくさんのことを感じて、しっかり自分の中に落とす彼女。
そんな彼女が、ある夏の終わりの日にポツリと言いました。
その昔、量販店に勤務していた頃、 セーターのデザインに携わっていました。
たくさんの色がハーモニーを奏でるような素敵なサマーセーター。
その作品を今も彼女はとっても大切にしています。
団の稽古が終わった後、そのサマーセーターをうれしそうに着て彼女は、
「この前、たんすを開いたらこの子がいて、
ああごめん、今年は全然着てあげてなかったねえって。
夏も終わりだし、一回くらい着てあげようと思って。」
と、言っていました。
その言葉が本当に優しくて、可愛くて、
また、子供を愛でる母のようで。。
夕焼けの太陽に照らされたサマーセーターはもう何年も着られているのに、
とても素敵に彼女に誇らしげにまとわれていました。
優しく、少女らしい彼女の一面が見えた夏の日の夕暮れでした。
今回は、お料理大好き、こだわりの彼、登場です。
秋合宿、夜の懇親会テーマは「おいしいものをちょっと」。
大人の宴会は「量より質だ」ということで
彼は、「おーし、やるぞ!」と紀伊国屋へ買い出しに。
食材別に専用包丁や炊飯器も持参し、せっせとおつまみを作りました。
「ほら、パンのうえにこれと、これと、これをのせて食べると、
おいしいよ。ワインにあうでしょうー!」
とうれしそうに参加者の皆様へ勧めます。
「えー太るからパンはいらないよー」というと
ちょっと哀愁を漂わせ寂しげに。
しかし、、、
合宿最後、参加した方から「懇親会で食べた炊き立てのご飯の味。
絶対に忘れません!!」と言われて大満足の彼でした。
街を彼女と歩くと、必ず、彼女の知り合いに遭遇する。
彼女の地元でもなく、全くかけ離れたところでも、
「いやあ、久しぶりい」と、誰かに声をかけている。
それくらい知り合いが多い。
彼女は、誰かと言葉を交わすことをとても大事にしている。
「ここで会ったのも何かの縁」を自ら実行するかのように、
レストランのウエイトレスにも、どんどん話しかけて、友達になってしまう。
だから、サービスされることも多々ある。
ある地方公演での出来事。
駅のホームでメンバーたちと電車を待っていた。
「そろそろ電車が来るね。」と見ると、ひとり足りない。
彼女がいないのだ!「どこどこ?」とホームを探しても見当たらない。
ふと、見ると、ホームの蕎麦屋に見慣れた背中が、、、。
蕎麦屋のおじさんと楽しそうに話す彼女が、
「ここの蕎麦、おいしいんだもん。皆で食べようよ!電車1本遅らせてもいい?」と
無邪気に言う。
結局、皆で楽しく蕎麦を食べた。
今日もきっとどこかで、彼女の屈託の無い語りかけが、
知り合いや友達を増やしていることでしょう。
彼は、よく見たこともない柄のTシャツを着ている。
大きな漢字が描かれているが、それは、日本に由来する漢字ではない。
どうやら、彼は中国が大好きらしい。
長い間、太極拳をたしなみ続けているからかもしれないが、
時の流れを感じられるので、余計に好きなのかもしれない。
そういえば、彼には何年も眠ったままの車があった。
車庫に全く使われないまま放置され、でも、毎年、税金や保険料を支払っていた。
特に美しく保存してあったわけではない。
落書きもされていた。
数年前ようやく、車を処分した。
彼は埃の層がどんどん厚くなる車を眺めては、時の流れを感じていたのだろうか。
いつもやさしく、常に人の立場に立ってものを考え、
涙もろく、情の厚い彼は、
中国という大国に何を求めて見つめているのだろうか。
彼女の声はまるで鈴が鳴るようだ。
どこかはかなげで、それでいて、凛とした強さのある声。
そんな彼女は、3年半前、自分が太ってしまったと悩んでいた。
お腹周りがいくら腹筋をしても減らないと。
もともと、スレンダーな彼女なので、特に周りも彼女が太ったとは思わなかった。
お腹が腫れているような気がして病気かと思い、病院にまで行った。
そこで言われた言葉は
「おめでとうございます。おめでたですね。」だった。
晴天の霹靂とも言うべきなのか、
彼女の驚きようは想像もつかないほどだった。
もう6カ月の命がお腹に宿っていたのだ。
腹筋を始め、温泉、卓球、箱根登山、水泳etc. あらゆることに耐え、
特に語りかけてもらうこともされず、
その存在にすら気付いてもらえないまま、
命は育っていたのだ。
その命は今、彼女のかけがえのないパートナー。
子連れでもたくさんのことを楽しめ、
成し遂げられることを身をもって表現することになってしまった、、、
でも、全く動揺しない、ステキな彼女です。
頭の中はスーパーコンピューター。
全てがきちんと計算されている。
あまりの頭の良さに周囲が萎縮してしまうこともある。
時には周りに妬まれたり、畏怖の念を抱かれたりすることもある。
桜の咲き乱れる4月。
プレイバッカーズ、稽古の昼食時。
彼女の目の前に美しい箱が並べてあった。
桜模様のピンク色の箱。
中には、ピンクの向こうにあんこが透けて見える、
桜餅が桜の葉に包まれてうれしそうに並んでいた。
「皆で食べよう。」言葉は少ない。
「食べたかったから。」ただ、それだけの説明文で
桜餅は提供された。
メンバー全員、美味しさにうなりながらおもちをいただいた。
そんな様子を彼女は穏やかに見つめていた。
押し付けないけれど、それでいて静かに心を打つ。
彼女の姿に夜桜を思い描いた、穏やかなお昼だった。
彼女は今、恋をしている。
結婚ン年目、ピンクが似合う、ママの恋する相手は、
他ならぬ彼女のパートナー。
仕事が軌道に乗り、どんどん大きな企画を任されている彼。
夕食をはさんで、生き生きと語られる今日の出来事に耳を傾けることを
彼女は毎晩、とても楽しみにしている。
「彼の話を聞くのが私の『趣味』、って言ってもいいくらいなの。」
「今日は彼が出張なので、夜、メールの返事が書けます。」
結婚生活に嫌気がさして、プレイバックに逃げたこともあった。
結婚しなければこんな苦労はないのに、と思ったこともあった。
そんな時を経て、今は彼が最高。
昔より今、今よりこれからの方が、さらに信頼がふくらんでいく感じ。
「時間がたって、『熟成する』ってこともあるんだなあ。」と、
彼女は、朝食のパンを焼きながら思っている。
入団して間もない、彼はよく気が付く。
髪型を変えたり、口紅を塗ったりすれば、コメントをしてくれる
やさしい笑顔の下で、そっと人を見ていてくれる。
今まで、団の中で、そんなコメントをしてくれる人が
いなかったから、とても驚いた。
それは、私たちにとても新鮮で温かい風を吹き込んでくれた。
自主公演の際、チラシに掲載するため、
テーマを決めて団員のそれぞれが短い文を綴る。
彼は、これにひどく苦労をしていた。
詩的で、流れるような文が、なかなか団のOKを貰えなかった。
言葉と言葉の間にある思いを理解して欲しいと、忙しい中、
何度も書きなおしていた。
そして、、、。
今までとは、ちょっと違う彼の美しく、風になびくような文章が
掲載された。
彼は、最初に会ったとき、合宿でラインダンスを踊っていた。
輪の中で、彼は中心的な存在だった。
明るく、楽しく、おもしろくて、何より、彼がいると、場が和んで。
まもなく彼は、団のメンバーとなった。
パワフルな演技、よく通る声。
彼はアクターとして、団に不可欠な存在となっていった。
練習をともにして、たくさんの時間をメンバーたちと過ごした。
多くの時間と、多くの舞台を踏んでいるうちに、
いつの間にか、団に流れる時間と 彼の中に流れる時間が変わってきていた。
しばらく、お互いに距離を置くことにした。
時は流れ、また、お互いがお互いを必要と感じられるときが
廻ってきた。「おかえりなさい。」。
別々の時を刻んだ時計はまた、同じ時を刻み始めている。
今、団の中にはとまどいの空気も流れている。
その原因は、彼が口にする数々のおやじギャグ。。。
受け答えに窮する者、聞こえなかったふりをする者、そして、 心から喜んでいる者。
とにも、かくにも、彼がいることで、
笑顔が増えている(苦笑も含む)のは、 事実だ。
「あの舞台俳優さんが合宿に来てくれるって」と、
団員が大騒ぎをしたのは何年前だったろう。
合宿地、伊豆の山奥で、その彼は1人、月を見上げていた。
太い竹に耳を当て、大地から水をくみ上げる音に心を寄せていた。
よくとおる声も、絞り込まれた体も、しなやかな体の動きも、
役者として長い年月を生きてきた証だった。
近寄りがたい感じがした。
舞台俳優がプレイバックシアターに興味をもつだろうか。
その場にいた誰もが疑問を抱いた。
彼が慣れ親しんだ演劇の世界とプレイバックシアターの世界は 似て非なるものに違いない。
完璧をめざす世界と精一杯を受け入れる世界。
ところが驚くことに、彼は持ち前の謙虚さと深い洞察力で、 この二つの世界を統合していった。
月日が流れた。
今、彼の周りには多くの家族がいる。犬もいる。猫もいる。
彼らと一緒に食卓を囲み、彼らの笑顔を見る時間が増えた。
朝の散歩で犬たちと一緒に富士山を眺めるようになった。
手には犬の糞を入れる袋。ポケットには小さな子犬。
いつしか、かつての近寄りがたさは消えていた。
あれは何がきっかけだったろうか?
そこは団の定期練習をしていた部屋
団員全員で写真を撮ることになった。
でもシャッターを押す人は写ることができない。
カメラマンを決めかねていたとき
「誰かに頼もうよ」
彼女は突然部屋を出て行った。
間もなく見知らぬ男性が登場した。
唖然としているほかの団員を横目に
「おじさん、皆で写真撮りたいからお願いできますか?」
無邪気な声と笑顔で彼女は言う。
彼もなぜだか突然、声を掛けられた女性に写真を撮らされ
少し困惑気味にシャッターを押す。
「おじさんありがとう!これ、よかったどうぞ」
そう言って部屋にあったおまんじゅうやせんべいを渡していた。
おじさんが喜んでいたかどうかは不明だが…
そんな彼女はとっても友達が多い。
それは、彼女に出会う人がその無邪気な声と笑顔に
いつのまにか包まれてしまうからかもしれない。
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