読売新聞/2011.2.15

わくわく新聞活用<NIE 新聞に教育を>
「いじめ許さない」

 学校でも地域でも、誰もが平穏で楽しく過ごしたいはずです。
それを脅かすものの1つがいじめ。
一人で悩んでもなかなか解決しません。 みんなの問題として考えてみましょう。

迫真の即興劇

男子が女子の背中に「バカ」と書いたセロハンテープをはり、「毎日やってやる、バカ!」と乱暴な言葉を吐き捨てた。

いじめをテーマにした劇の一幕だ。
東京都小金井市立小金井第四小学校で1月末、いじめの当事者の気持ちを考えてもらおうと 「劇団プレイバッカーズ」(横浜市)を招き特別授業を行った。
「助けて。どうして私だけされなきゃいけないの」
劇団員の高橋江利子(43)が女子の気持ちを迫真の演技で表現すると、4年生約90人の児童は静まりかえった。
この場面は、観衆の児童からいじめの体験を募り、劇団員3人が即興で再現した。 当事者の気持ちを他の子にも気付かせたり、一緒に解決方法を考えたりするのが狙いだ。

「では魔法が使えます。その時に戻ったとして、どうなったらいいと思う?」。
司会の佐藤久美子(45)が尋ねると、体験を寄せた女子は「私が嫌がっていることをわかり、心から謝ってほしい」。

「ごめん。悪かった」。
男子役の団員がすまなそうに謝ると、女子を演じる高橋さんは「今までの傷は消えないんだから」。
そんなやりとりを見て女子は
「少しずつ、気持ちが楽になった」と話した。
佐藤さんたちは次々と体験を聞き出し、児童の気持ちを演じていく。
演じてもらったある男子(9)は、放課後、突然別の子に脇腹をつままれ、蹴られたという。
「その時は何だかわからなかったけれど、劇を見て、嫌だと思う気持ちがわかりました」

同小の渡辺一雄校長(55)は「客観的に考えることで、他者への理解が深まる。いろんな気持ちを受け止め、 変われる子が増えれば、いじめを防ぐ効果はある」と話した。

(読売新聞 2011年2月15日紙面から)