朝日小学生新聞/2007.2.15

演技を通じて体験を分かち合う“いじめを考える”
東京・小金井で劇団員と考える授業

 心の中の思いを即興の演技で再現する劇団のメンバー四人が東京都小金井市の南小をおとずれ、五年生七十三人と『いじめ」について考えました。演技を見たあとの子どもたちからは、いじめをなくすためのアイデアが次々に出されました。 (渡辺真理子)

 出前授業をしたのは、神奈川県横浜市に本部を置く「劇団プレイバッカーズ」です。授業のテーマは「いじめをなくすにはどうしたらいいか」。希望者に、いやだった体験を話してもらい、その話をもとに団員たちが演技します。
  進行役の団員、佐藤久美子さんが「話したい人はどうぞ」と声をかけますが、初めはなかなか手があがりませんでした。口火を切ったのは女の子。いじめられている子を見つけたけれど声をかけられなかった体験を話しました。「見ていて不安だった」と女の子。
  しずんだ音色のピアノ曲が演奏される中、団員の男性が体をちぢめ、両手で顔をおおいます。その後ろには、腕をかかえ、背をむけ、悩む女性の団員。女の子の気持ちをあらわしています。「声をかけられなくてー。どうしようー」と苦しそうな声が、しずまりかえった視聴覚教室にひびきました。
  このあと、「いじめたときの気持ちは」「いじめられた経験を教えて」というよびかけに、手をあげる子がふえ、十一人の体験が再現されました。演技をじっと見つめる子、うなずく子の姿がありました。体験を話した子の中には「あのときの通り」と話す子も。
  演技を見たあと、六グループに分かれ、「いじめをなくすためにできること」を、プレイバッカーズと考えました。
「いじめに気づいたら大人や先生にいう」「ひとりでいうと自分がいじめられそうだから、何人かでいじめている人を止める」「人をいじめる前にその子に直してほしいことをつたえる」「いじめられたら大声を出してまわりの人に気づいてもらう」「口から出たことは取り消せないから良く考えて話す」・・・・・・。五年生たちは熱心に考えをのべあいました。
  劇団代表の宗像佳代さんは、演技を見る人から「何かできることをしよう」という気持ちを引き出すのが、プレイバッカーズの役割だといいます。「みんなで考えた時間が、子どもたちを後押しするでしょう」
  五年一組担任の島田美代子先生は「今回は友だちの体験を自分のものとして受け止め、具体的な行動を考えるきっかけになったのでは」。授業に参加した男の子の一人は「この先、いじめられそうな気がして不安だった。でも、みんな真剣に考えていたのを見て不安がへった」と話していました。
(提供 朝日小学生新聞)
(朝日小学生新聞 2007年2月15日付紙面から)